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70代の終活は、いよいよ実践的に

 

  70歳からの終活は、いよいよ内容が実践的なものになってまいります。60代のうちに、既にご準備された「エンディングノート」や「遺言書」をもう一度見直し、必要な修正を加えていきましょう。当初と比べて、現在のご自身の健康状態はいかがでしょうか? また信頼していた方々とのお付き合いは、つつがなく継続されていますでしょうか? 更には、現在の経済状況は想定の範囲内でしょうか? ご状況が変化し、ちょっとした軌道修正を必要とする箇所が、散見されつつあるのがむしろ普通と言えます。せっかくご準備されたことも、ずっとメンテナンスをしないままだと、現実から乖離した意味のないものになってしまいます。キメ細かく丁寧に、対応していきましょう。

 

エンディングノートと遺言書の見直し

   既にご準備された「エンディングノート」と「遺言書」の記述内容に相反する矛盾点はありませんか? もう一度入念に確認しましょう。「遺言執行者」を定めている場合は、現状においても適任ですか? その方の健康状態、お付き合い上の距離感等々、多角的に検証してみて下さい。当初の「遺言執行者」を変更する場合には、改めて遺言書を書き直しましょう。

任意後見制度の検討

  既に判断能力が不十分な人ための制度が「法定後見」であるとしたら、「任意後見」とは、まだ判断能力のあるうちに、将来判断能力が衰えた時に備え、自分を守ってもらう契約を結んでおく制度のことです。

  任意後見契約では、守られる人が守る人(法人でも受任可)に、将来の代理権を与え、どの項目について、どのように暮らしを守ってほしいのかという内容を予め定めておきます。公正証書の形式で契約し、法定後見のように家庭裁判所を介するのではなく、公証役場から東京法務局に任意後見登記の手続がとられ、守る人は、「任意後見受任者」として登記されることになります。

墓地や葬儀スタイルの検討

  自分らしく人生の最後を締めくくるために、どのようなスタイルの葬儀にするのか、定めておくことは極めて大切ですが、何しろ自分で取り仕切ることができないため、家族や遺言執行者に、葬儀のスタイルに関する希望や費用について伝えておかなかればなりません。

  まずは葬儀社のご担当者様と入念な打ち合わせをしましょう。一般葬or家族葬、直葬といった葬儀スタイルの選択、また費用についての見通しなどです。葬儀費用は、大きく分けて4つの項目があり、①葬儀そのものにかかる費用、②飲食接待にかかる費用、③お寺・教会・神社等の宗教施設にかかる費用、④火葬・香典返しにかかる費用です。遺影写真も生前に決めておくのが良いでしょう。残された方々にとっては、遺影の写真を決める際に、少々てこずるからです。

  埋葬についても決めておきます。現代においては、檀家寺院の墓地、霊園墓地、永代供養墓、納骨堂、散骨など様々な選択肢があります。また先祖代々のお墓を、今後も子孫が管理できるか否かの見通しも、ご自身の埋葬場所を考慮する際に大きな影響を及ぼすはずです。場合により「墓じまい」という選択肢もありえるでしょう。